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ウェブマガジン〜GIFT〜
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1.172025
「第10回 荷物の多さについて(後編)」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
西アフリカのコートジボアールのワークショップに出張したことがある。コートジボアールも、すてきな布地を作っているファッショナブルなところとして知られていたが、西アフリカ全般、フランス植民地だった影響もあるのか、とにかくおしゃれがすごい。
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1.102025
「第22回 ある年の初めの日記」ダブリンつれづれ / 津川エリコ
元旦 お雑煮を食べる。この日の為に去年からとっておいた餅六つ。夫二つ、息子三つ、私一つ。糸子さんの家で新年会があったので、昨日のうちに作ってあった黒豆とうま煮を持って出かけた。彼女の家ではクリスマスを十六人の大人と一人の赤ん坊、合計十七人で祝ったと聞いた。
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12.202024
「第9回 荷物の多さについて(前編)」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
旅支度について。どこかに出かける時、荷物を作ると思う。荷物を持ってくれるお付きの人がいつでもいればいいのだが、そんな人をいつも従えている人などこの民主社会にあってほとんどいないので、みんな荷物を自分で持つ。
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12.132024
「第21回 アラン島」ダブリンつれづれ / 津川エリコ
アラン島へ出かけた。多分七年ぶりではないかと思う。東のダブリンからほぼ真西へアイルランドを横断する。島へのフェリー乗り場まで、休憩を入れなければ車で三時間半の行程。アイルランドは小さな国だ。フェリーで四十分。島に四十年住む友人宅に二泊させてもらった。
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12.62024
「第8回 アオザイ」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
世界で最もエレガントでセンシュアルな民族衣装、として名高い、アオザイ。ベトナムの民族衣装である。スタイルとしては長いチュニックにパンツ、とも言えるスタイルであり東南アジアに広がる巻きスカート系の伝統衣装とはかなり違う。
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11.162024
「第7回 衣服にひかれていく(後編)」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
雨の日に着物を着る時の足元は、まずは、いわゆる利休下駄に爪皮、と呼ばれるカバーをかけるのがよい、と教えてもらっていた。利休下駄というのは、細い二枚刃の付いている下駄で、それはそれは、格好が良い。
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11.82024
「第20回 巡礼」ダブリンつれづれ / 津川エリコ
二〇二二年に日本へ帰国した時、最初に入った本屋で最初に目に入ったのは沢木耕太郎の『天路の旅人』だった。発行日を見ると発売されたばかりだった。迷わず買った。一九八六年に発行された『深夜特急』第一便以来、私は沢木の本に注意を払ってきた。彼がまだ旅について書いている、そう思うと心が躍った。
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11.12024
「第6回 衣服にひかれていく(前編)」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
あえてひらがなで「ひかれる」と書いてみた。ある衣服にひかれる。ひかれるのだ、どうしようもなく。これが着たい、これを身に付けたい、これが好きで気に入っている。それはもう一体どこからきたのかわからない。霊的なもの、としか言いようがない確かさと輝きを持って私たちに迫るので、抗えない。
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10.182024
「第5回 キラ」グローバルサウスの片隅で/ 三砂ちづる
チベット仏教の国、ブータンは、標高の高いところにある国だから、気温は下がる。いかなる意味でも熱帯の国ではない。ブータン国民は民族衣装をよく着ている、というか、ブータンでは公式の場では、キラとゴという民族衣装を着なければならないことになっている。
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10.112024
「第19回 母の死」ダブリンつれづれ / 津川エリコ
十二年前の十月に母が死んだ。亡くなったのではない、死んだというのが私の実感である。母の死については母の生きている頃から何度も想像して悲しんでいた。予行演習だった。まるでそのことが悲しみの絶対量を減らしてくれるのだと思わんばかりに。ある程度の心の準備をしてその日に備える算段だったろうか。
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