ウェブマガジン〜GIFT〜

  1. 森達也のフェイクな世界バナー

    森達也のフェイクな世界「第5回 ゴッド・ブレス・アメリカ」

     NHKの仕事でニューヨークに行ったとき、ジョン・F・ケネディ空港のイミグレイション(入国審査)で、半日近く拘束されたことがある。朝8時くらいの着陸だった。僕のパスポートをしばらく見つめていた係官は、指で合図をして数人の係官を呼んだ。

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  2. 「第16回 灯台へ」ダブリンつれづれ / 津川エリコ

     二〇年前の夏に泊まった小さな島のホテルの領収書が出てきた。それを捨てずに取っておこうと意識したことを憶えている。失くしたとは思わなかったので、時々、その一枚の紙きれがどこにあるのだろうと思うことがあった。

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  3. 森達也のフェイクな世界バナー

    森達也のフェイクな世界「第4回 捨て猫を飼う」

     家に猫が来た。 生後五カ月の三毛猫。ということはメス。そもそもは捨て猫だったようだ。知り合いの知り合いが拾い、誰かもらってくれる人はいないかと友人たちに声をかけ、その声が僕のもとに届き、僕は迷うことなく手を挙げた。 僕は広島で生まれている。でも広島の記憶はない。

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  4. 森達也のフェイクな世界バナー
  5. 「第15回 チェルシーフラワーショーと漱石」ダブリンつれづれ / 津川エリコ

     毎年五月、ロンドンのチェルシーで開催されるチェルシーフラワーショーに初めて出かけてみた。ロンドン三泊の旅行をリュックサック一つで済ませることが出来たのは、一緒に出掛けたダブリンに住む友人がロンドンにも家を持っていてそこに泊まることが出来たからである。

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  6. 森達也のフェイクな世界バナー

    森達也のフェイクな世界「第2回 味方をしてくれというつもりはない」〜パレスチナ難民キャンプ

     今日の日付は6月3日。イスラエル・パレスチナ問題について最新の(大きな)ニュースは、バイデン大統領がイスラエルとハマス双方に呼びかけた停戦への新提案だ。以下は6月1日 21時34分に配信されたNHKWEBのニュースだ。

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  7. 森達也のフェイクな世界バナー

    森達也のフェイクな世界「第1回 北京国際映画祭で笑いをとる」

     四月一七日午前七時。眠い目をこすりながら羽田空港第三ターミナルに着いた。八時五〇分羽田発JAL021便に乗らなければならない。今年で一四回目となる北京国際映画祭に『福田村事件』が招待されたのだ。 カウンターでチェックイン。渡されたチケットの左上には「business」と記されている。

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  8. 「第14回 ローマの休日」ダブリンつれづれ / 津川エリコ

     一九五三年に制作された映画「ローマの休日」の印象はとても愉快で楽しいものだった。某国のアン王女を演ずるオードリー・ヘップバーンのようにスクーターの後ろに乗って颯爽とローマ市内を巡れたらどんなにかいいだろう。グレゴリー・ペックと一緒に、とは言わないが。

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  9. 「第13回 タゴールを探して」ダブリンつれづれ / 津川エリコ

     セント・スティーブンス・グリーンを歩いていて偶然、インドの詩聖タゴールの銅像に出合った時、とても驚いた。銅像の存在を知らなかったのだ。この日、この公園の近くにあるホテルの前で知り合いの車に拾ってもらうことになっていた。待ち合わせの時間まで二十分ほどあった。

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  10. 「第12回 アーモンドの花」ダブリンつれづれ / 津川エリコ

     外国に旅行中、それまで見たことのない花に偶然、遭遇するというのはその旅行を一層印象深いものにする。いや、私の場合は、その花がその旅行の思い出を独占する感じになる。モロッコのマラケシュで私はジャカランダの花を初めて見た。大木に咲いた青い大きな花だった。

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