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種苗法改正を考える前に…おすすめの映画!

「人間は毎日何かを食べる必要がある。
 その食べ物は農民が作る。
 タネを大切に育てなさい。そして、自分たちでタネを毎年収穫してGM作物の侵入を阻止するんだ。
 植物や動物は未来のための大切な資本だ。それを忘れるな」(注1)

映画「世界が食べられなくなる日」の一場面。
引用したのは、セネガルにあるカイダラ・アグロエコロジー農業学校の先生が、若者に語る言葉。GM作物というのは、遺伝子組み換え作物です。

いま日本の国会で、種苗法という法律が改正されようとしています。

この法改正で、これまで農家に認められていた自家採種(自分でタネをとってまた育てること)が禁止されます。(対象外の品種もあります)
今年の5月、柴崎コウさんが農家さんを心配するコメントをSNSで発信して話題になりましたけど、一般には遠い話というのが、多くの人の印象かもしれません。

でもタネの話は、食べものの話。
私たちの健康問題とも深くつながる話です。
そしてもっとも影響を受けるのは、これからの時代を生きていく若い人たち、子どもたちです。

いま世界で、タネや食べものをめぐる環境がどのように変化しているのか。
この背景を知ることが、今の種苗法改正や、2017年の種子法廃止などの変化をどう理解していくかに、大きく影響すると思います。

というわけで、種苗法改正のニュースを理解したいと思った方は、いろんなドキュメンタリー映画から入るのも一つかなとふと思ったので、おすすめタイトルをご紹介します。すべてvimeoで、ワンコイン(500円)ですぐに観られる作品を挙げました。(アップリンクさんの回し者ではありません・・)

「世界が食べられなくなる日」(2012年/フランス)予告編
https://www.youtube.com/watch?v=gr8DiizVX2s

「モンサントの不自然な食べもの」(2008年/フランス、カナダ、ドイツ/レイチェル・カーソン賞、ドイツ環境メディア賞受賞)予告編
https://www.youtube.com/watch?v=PO7RmRVZs6A

「パパ、遺伝子組み換えってなあに?」(2013年/アメリカ、ハイチ、ノルウェー)予告編
https://www.youtube.com/watch?v=cBHssSmvKsM

映画を観たら、ではどうしたらいいの? とちょっと途方に暮れてしまうかもしれません。
でも、私たちにできることも、たくさんあります。
ミツイパブリッシングでは、この問題を長年ウォッチしてきた印鑰智哉さんによる、初の単著を準備中です。

後続情報をご期待ください!

印鑰智哉さんプロフィール
アジア太平洋資料センター(PARC)、ブラジル社会経済分析研究所(IBASE)、Greenpeace、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て、現在はフリーの立場で世界の食と農の問題を追う。
ドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』(2015年)、ドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物?』(2018年)いずれも日本語版企画・監訳。『抵抗と創造のアマゾン-持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室刊、2017年)共著で「アグロエコロジーがアマゾンを救う」を執筆。*出典は http://blog.rederio.jp/about


1)「世界が食べられなくなる日」公式サイトより https://www.uplink.co.jp/sekatabe/intro.php
2) 印鑰智哉氏によれば「アグロエコロジーとは、生態系を守るエコロジーの原則を農業に適用したものとされる。それは同時に科学であり、農業の実践であり、そして社会運動である」http://blog.rederio.jp/archives/2799

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