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【発売まであと5日】ピアカウンセリングとは?

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『多様性のレッスン』には、安積遊歩さんが日本に紹介した「ピアカウンセリング」の手法というか、姿勢が生かされています。
今日は、本書収録の、安積遊歩さんによるピアカウンセリングの解説をご紹介します。

ピアカウンセリングについて 安積遊歩

 ピアカウンセリングとは、同じ境遇や立場にある人がピア(仲間)となって、時間や思いを分かち合い、聞き合うことで、それぞれの目標に近づいていくための方法です。もともと一九六〇年代のアメリカで、アルコール依存の人たちの助け合う関係(自助グループ)から、始まったと言われています。

 自分の人生を専門家に一任するのではなく、当事者が、自分の力や権利を取り戻していくために有効な方法として、一九七〇年代のアメリカでいろんな分野に使われていきました。

 一九八三年に私が渡米したときには、障がいをもつ仲間たちの中にピアカウンセラーがいて、さまざまな障がいをもつ仲間の相談に答えていました。障がいをもつ仲間たちだけのためではなく、学生同士や同性愛の人たちのピアカウンセリングもあると聞きました。

 一九八六年、東京の八王子に日本第一号の自立生活センター(ヒューマンケア協会)を創立したとき、仲間数人と第一回ピアカウンセラー養成講座を開講しました。

 ピアカウンセリングは、その後も障がいをもつ人の分野でどんどん広がっていきました。そのため、日本では、ピアカウンセリング=障がいをもつ人のカウンセリングと考えられていた時期がありました。でもピアカウンセリングは本来、社会から、権利侵害や差別などの抑圧を受けて苦しんでいるグループごとに、そこから立ち直り、闘っていくための道具です。

 私自身、日本に住んでいた欧米系のフェミニストたちから、ピアカウンセリングを学びました。いま私は、北海道で原発避難者や、男性同士のピアカウンセリングをしています。男性同士のグループでは、私は直接のピアではありませんが、お互いの話や気持ちをたくさん聞き合って、共感し合える聞き合い方をお伝えしています。

 私自身がピアカウンセリングのおかげで、社会を変えていく力をもつことができました。人は、気持ちを丁寧に聞いてもらえることで、共感してもらえたと感じ、力を得ていきます。この本には、たくさんの共感を力にし、ひとりひとりが多様な存在であることを、誇りをもって社会に表現していくための術が書いてあります。


多様性のレッスン 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A

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