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知ってた? 人生を変えるお産の話〈後編〉〜『家で産まれて家で死ぬ』座談会@つちのこや 参加リポート〜

知ってた? 人生を変えるお産の話〈後編〉〜『家で産まれて家で死ぬ』座談会@つちのこや 参加リポート〜

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上の子も安心

佐藤有里さんからは、二人目以降、家で産むことのメリットについて。

二人目以降のお産で気になるのは、上の子のこと。お産を家で迎える場合、日常の暮らしの中で、子どもが安心したままお産を迎え、産後も安心して子どもたちと一緒にいられたことがすごくよかった、と。佐藤さんは義父(元国立市長の佐藤一夫さん)とも一緒に住んでいたので、義父の看取りのときも、子どもたちが自然なかたちでかかわれたことを、すごくよかったと思っている。

詳しくは『家で産まれて家で死ぬ』をどうぞ。

本を紹介する佐藤有里さん。

 

さまざまな思い

会場からはこんな声が。

「自然に生死を迎えるにもまわりの理解が必要」

「選択肢がコミュニティでぜんぜんちがう。無痛分娩を選ぶ人が多いところも」

「助産院に興味はあるけど最終的には大きな医療機関が安心」

「親や夫が反対する結果、病院を選択することも多いと聞く」

「出産するのに痛い思いをするなんて、と無痛を勧められた」

「矢島さんで産んだ満足感が自分の自信になった。それ以降の自分の人生のパワーになった」

「助産院を選ぶかどうかというより、自分に自然なお産ができる、ということを知るかどうか」

「人との出会い、つながりで、どこで産むかも決まってくる」

「社会の作ったイメージにとらわれないで、人にいっぱい頼って生きていけたらいいなと思う」

「上の子の赤ちゃん返りのとき、矢島さんのファミリーサロン(*)の存在がすごく助かりました。ああいう場所があってくれて本当によかった」

*注)矢島助産院の分室。妊娠子育て中の方がいつでも立ち寄り、支え合える場所

 

男性も一緒に!

男性参加者から「男は無力。女性に恐れ入るばかりで……」と感想が出たところ、すかさず矢島さんが「いのちを与えてくれたじゃないですか」と応えた場面も印象的だった。

男性も含めた親だけでなく、たくさんの人の手をかけて子育てしていかなければたいへんな時代。パートナーともいろんな話を共有していく必要もすごくある。

男性からは続いて、「矢島さんのところで産むことに決めたのも友だちの口コミでした。インターネットの情報よりは、直接の友人からの声で決めた。身近な人たちの輪をだいじにして、家で生む、地域で育てるということを、この地域で少しずつ広げていけたら。僕も何らかのかたちでお手伝いをしていきたいと思っている」。会場は拍手に包まれた。

 

もっとつながったら、もっと広がる

お産の話で必ず配慮したいのが、いまそのときに何らかのつらい思いを抱えている方のこと。この日もそうした思いを語ってくださる参加者がいた。そうした思いの渦中にいる方には、まず正直な気持ちを話せる場所があるといいなと思う。すべて希望通りに運んだ人などいるはずもないわけだけれど、とくにお産の話は、正直に話せる場所がなかなかなく、自身の体験を自分だけの中で抱えている方も、多いのではないかと思う。

佐藤さんは「病院出産を否定するわけではなくて、選択肢の一つとして自分の生き方を選んでもらえたらいいなと思っています」、矢島さんからは「場所ではなくて、自分で主体的に選ぶことがだいじ。その人らしくできるお産ならどこへでも行きたい。女が女として輝いて生きていけるようなお手伝いをしていきたい」とコメント。

最後に佐藤さんから「今日この場で、同じように考えてる人がいるんだということがわかりました。もっとつながれたら、もっと広がりができる。まだまだこれからいろんなことができると思っています」と期待感あふれる感想が。

 

田畑とつながる子育て古民家「つちのこや」の活動、イベントカレンダーはウェブサイトから見ることができます。http://hatakenbo.org/tutinokoya

お近くの方はぜひチェックして、足を運んでみてください。

庭の梅の木が見事でした。

 

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