ケアリング・ストーリー / 三砂ちづる

ブラジルで子どもを育て、日本で父を介護し、夫を看取った疫学研究者が、人生の後半に綴るエッセイ。「父の元気なときは、これ食べすぎちゃ『からだにわるいよ』と言い、認知症になってなにもわからなくなってからは、食べないと『からだにわるいよ』と言ってしまう娘は、どうすればよかったんだろう、と、いまも、わからない」。介護や看取り、家族や夫婦の関係などを、国際母子保健の世界を渡り歩いた経験を交えて浮き彫りにする。誰かを気にかけたり、大切に思うこと=「ケアリング」という言葉から広がった25篇のストーリー。

目次

  1.  七回忌/最期まで自分の意思で過ごすには/からだにわるい/ロングショットの喜劇/家で死ぬ/言わないこと
  2.  生活という永遠/スペイン風邪/生理学的プロセス/妊娠中絶について 
  3. 早くしなさい/子どもに選ばせる/見ない勇気/小学校/帰りたい家/もうひとりのわたし
  4. 出生地主義/文明の衰退/女性の活躍/望む未来/結婚/スタイルを作る/仲良くするために 

著者プロフィール

三砂 ちづる  (ミサゴ チヅル)  (著/文

1958年山口県生まれ。兵庫県西宮育ち。津田塾大学多文化・国際協力学科教授、作家。京都薬科大学、神戸大学経済学部第二課程、琉球大学保健学研究科を経て、ロンドン大学Ph.D.(疫学)。著書に『オニババ化する女たち』(光文社新書)、『昔の女性はできていた』(宝島文庫)、『月の小屋』(毎日新聞出版)、『女が女になること』(藤原書店)、『死にゆく人のかたわらで』(幻冬舎)、『セルタンとリトラル』(弦書房)、訳書にフレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)ほか多数。

書籍情報

判型: 四六判
価格: 1,800円+税
ISBN: 978-4-907364-29-8
発売日:2022年12月12日

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