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「罪のない者だけが石を投げよ」ネットギャリーのレビューは、クリティカル1

 森達也さん新刊『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』のネットギャリーへのお試し掲載期間が、終了しました。
 アクセスいただきましたみなさま、レビューをお寄せくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。

 どれも鋭くて、うなるレビューばかり!
 本の感想をもらうのは、本づくりという仕事の中でいちばんうれしい瞬間の一つ。さらにネットギャリーのレビューは、批評性というか分析力が高く……、どれも読み応えあり、今後の企画のヒントになるご指摘もありました。
 Amazonレビューを買う/買わないの参考にしている方も多いと思いますが、ネットギャリーのレビューも一読の価値大いにあり! だと思います。

 では前回「レビューは宝物!」を書いたあとに、お寄せいただいたレビューをご紹介します。
 「罪のない者だけが石を投げよという聖書の一節を連想した」、
 「我が子に読ませたい」、
 「今日からでもできることがある」
 などなど、ハッとする内容ばかりです。

教育関係者 468529   私のおすすめ度★★★★★

 メディア・リテラシーはなぜ必要なのか?
 この本は、その問いにわかりやすくかつ論理的に答えてくれている。
 これを読む私にそのリテラシーをしっかりと意識することを勧めていることと同時に、煽動者の一員になっていないかと自問自答させている。
 メディアの視聴率による番組内容への忖度、それは裏を返せば一人ひとりの意識がある方向を一斉に向いてしまうことが、その内容を作らざるを得ない状況を作り出しているのだ。
 しかし人々は飽きるのも早く、その反面池に落ちた犬は徹底的に叩くような風潮も、弱まる気配がない。
 自分を理解してもらおうと思う時は、自分の一面だけをみて欲しくないと思っているのに、他人を、それもメディアを通して見る時はその一面しか見ないで、ジャッジしようとする。


レビュアー 540555   私のおすすめ度★★★★★

 メディアリテラシーをわが子に教えるにあたって、大変参考になる一冊でした。
 ちょうど学生時代にオウム関連の事件があり、テレビの過剰な報道に辟易し、報道としての客観視出来ないメディアのあり方に大変疑問を抱いていました。
 すぐにwindows95が普及し、インターネットを使うようになりました。授業でネットリテラシーなるものがありましたが、リテラシーとは、もっと小さい内から自分の心を研鑽し、物事を多種多面的、柔軟に捉え、判断できる能力だと思います。先生がマニュアル的に教える授業のにわかマナーでは、決して身に付かないと思います。
 情報過多の時代だからこそ、進んで学びたい、我子に読ませたいと思う良書です。


レビュアー 457371   私のおすすめ度★★★★★

 メディア・リテラシーとは何であるかについて、わかりやすく丁寧に書かれていた。
 子どもはもちろん、わかった気でいるつもりの自分のような大人にもよく効いた。
 少し怖くもなった。
 思い返してみれば、ニュースをみるときに今自分が触れている情報の真偽を疑うことなんてほぼ、ない。
 大衆に公開されているものなのだから、正しくて当然だと思い込み、疑うことも、同じ内容の2つのニュースを比較するなんてこともしたことがなかった。
 そこに自分が得たい都合のいい情報があれば、それだけで満足していたのだと思う。
 でも、それって実は私たちはニュースの作り手が大衆に見せたいものを見せられていただけなのかもしれない。
 私たちが観て、読んで、聞いているものは発信されたその時点で既に言葉、映像等の情報が切り貼りされて加工されたものだ。
 それだって決して間違ってはいないのだろうけれど、正確であるともいえない。
 だから、そのまま丸呑みにして判断してはいけない、情報に振り回されてはいけない。
 そんなこと少し考えればわかるはずなのに、いつの間にか選び取ること、自分で考えることすら面倒になっていたようだ。
 その結果が過去に戦争や誤報による冤罪、過剰報道を引き起こした。
 そして、そこには被害者がいたことを忘れてはならない。
 考えることを放棄することは恥ずかしいことであり、怖ろしいことを引き起こす可能性がある。
 今日からでも私ができることは、情報を得ようとするとき、物事を決して一つの方向からではなく、あらゆる方向から多面的にみようとすること。まずはそこから心がけようと思った。
 子どもも、大人もインターネットやテレビ、ラジオなどあらゆる媒体から容易に情報を受け取れてしまう時代だからこそ、正しい情報を取捨選択するスキルが必要だと改めて感じた。

次回へ続く!

フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ 増補新版世界を信じるためのメソッド

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