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【新刊情報】『日本の森のようちえん』編著者・内田幸一さんの文章を一部ご紹介

10月30日発売予定の『日本の森のようちえん』から、編著者・内田幸一さんの文章を一部ご紹介します。


新しい学びのスタイル・森のようちえん

内田幸一

子どもの成長を見つめて40年

自然の中で幼児教育を行うことをめざして、私が園を立ち上げた1983年には、まだ「森のようちえん」という言葉はありませんでした。
その時の名称は「小さな山のようちえん・子どもの森幼児教室」でした。
そこでは、園舎を自ら作り、野菜やお米を作り、自然の幸(木の実や山菜、きのこ、その地域の産物)を使い、小動物を飼い、おもちゃも遊具も手作りし、四季折々の自然の中で、先人の知恵に学んだ生活を子どもたちと共に行いました。
すべてが手作りで、自然に根ざした人の生活そのものでした。

やがて、子どもの成長に対して自然がどんな役割を持っているのかを、考えるようになりました。また、子ども自身がどのようにして成長するのか、日常とは子どもにとってどんな意味を持っているのか、大人は子どもたちに何を提供すればいいのか考えました。
この問いは、保育、もしくは幼児教育の本質を考えることでもあります。
長い時間をかけ、このことを何度も何度も考えてきました。
もしかしたら、この問いの答えが「森のようちえん」なのかもしれません。

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自然の中で過ごす時間が多い子どもは、たくさんのことを発見します。つまり、自ら気づくという体験を、数え切れないほどしているのです。
何に気づいているかを私たち大人が知るすべはありませんが、子どもたちの言葉の端々に、そうした発見が出てきます。

風に木の葉がゆれて、カサカサと音がしています。それを聞いていた子が「木がお話ししているよ」と話してくれます。

水芭蕉の群生から離れたところに小さな水芭蕉が咲いているのを見つけた子が、「水芭蕉さんさびしいって言っているよ」と言ってきます。

身のまわりの事象やようすをとらえていることは確かです。

こうした、自らが何かに気づく能動的な体験の積み重ねは、好奇心や興味関心の世界を広げます。
そしてその気づきが、自然を対象に行われていることに大きな意味があります。
多様で、不思議に満ちあふれ、時間や季節、気候によって変化する。自然には無限の広がりと可能性があります。
そんな自然との関係を幼い時から持つことができるのが、「森のようちえん」の魅力でもあります。
そうした体験を重ねた子どもはやがて、自分の気持ちの世界や、自分以外の人の内面のようすにも気づくようになります。
幼児であっても相手の気持ちを受け止め、理解し、他者の気持ちに寄り添うようすを見せるようになるのです。



自然の中で過ごすことが、内面の成長につながることがわかります。 アウトドア、自然好きのファミリーに、ぜひお読みいただきたい内容です。

 

 

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日本の森のようちえん 自然の中で感性が育つ

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