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『わかな十五歳』読書会に参加しました。

昨年、オンライン開催された『わかな十五歳』読書会に参加しました。

主催は、「避難の権利」を求める全国避難者の会。東京電力福島第一原発事故で避難した人、避難して帰還した人の当事者団体です。『父の約束 本当のフクシマの話をしよう』の著者、中手聖一さんが共同代表のお一人です。

コロナ禍以降、オンラインで会員交流会を重ねていたそうですが、6月にその交流会で『わかな十五歳』の読書会を企画くださり、編集者として私、中野もゲスト参加する機会を頂戴しました。

参加されたのは、2011年3月11日を福島県内で過ごした方ばかり。

たとえば『わかな十五歳』でわかなさんは、地震のあと「雷が鳴り、雪が降ってきました」と書いていますが、それぞれのお住まいで天気はどうだったか、とか。
同じ市内でも、エリアによってインフラ被害の大きさに違いがあったり。
国の避難指示区域から避難した方と、そうでない方の間では、判断一つを下すにしても大きな違いが生まれました。

福島の復興を伝えるニュースなどでは、高校生たちの声もよく聞かれます。
でも、「わかなさんの声も本当の声じゃないか」という感想もありました。

わかなさんは、本書の中でこう書いています。

あの日、目の前で高線量の放射能が降り注いでいるのに子どもが遊び、大人が普通に会社に行く姿を見て、あまりにもひどい、と私は思いました。・・・「今さえよければ」、という考え方が、自分自身の命と、この大地すらも蔑ろにしているように思えたのです。

また「大人の10年と子どもたちの10年は全然違う」という感想も、ぐさりと刺さるものでした。

大震災から11年目を迎える今年の3月9日には、わかなさんと、『母子避難、心の軌跡』『災害からの命の守り方』の著者でこの読書会にも参加された森松明希子さんのトークイベントを開催します。

お申込はこちらから。
https://bookandbeer.com/event/220309/

わかな十五歳 中学生の瞳に映った3・11

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