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2019年をふりかえる!障がい者にスポットライトが当たったのか、世論もメディアが作っているんだよな…と気づいた一年でした

 今年もあっという間に年の瀬ですね。2019年はつぎの3冊を刊行しました。

 障がい者運動のレジェンド、安積遊歩さんの半生を10代向けにつづった

『自分がきらいなあなたへ』

自分がきらいなあなたへ

 

 安積遊歩さんと宇宙(うみ)さん母娘の人生相談

『多様性のレッスン 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A』

多様性のレッスン 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A

 

 「i-新聞記者ドキュメント」で注目を集める森達也さんのメディア・リテラシー論

『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ 増補新版世界を信じるためのメソッド』

フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ 増補新版世界を信じるためのメソッド

 かつて障がいを理由に強制不妊手術をさせられた人々がいました。

 今年になって被害者が訴訟を起こし、国はその根拠となった旧優生保護法を違憲と判断。つい先日クリスマスの日にも、新たに訴訟を起こす方が出てきたと報道がありました。
 安積遊歩さんは不妊手術の被害者ではありませんが、10代のころから優生保護法の脅威を感じ、それをなくすために活動を続けてきました。
 今年はさらに、重度の障がいをもつ国会議員が二人も誕生。
 障がいをもつ人々に、かつてないスポットライトが当てられた一年だったようにも思います。

 ところで障がいをもつ国会議員が誕生して、あなたはどう感じましたか?
 「社会に必要なこと、すごい!」とポジティブに感じた人。あるいは、たとえば「任務を果たせるの?」といったネガティブな感情をもった人もいました。
 ドキュメンタリー映画監督の森達也さんは、そうした「イメージ」は、多くの場合、テレビやインターネットなどの「メディア」で見聞きした結果、その人の中に作られたものだ、と言います。
 だから何? と思われるかもしれませんが、困ることが一つ。
 メディアが流し、大多数が思い込んでいるイメージだからと言って、それが絶対に正しいわけではないことが、ときどきあるのです。
 森さんはこう書きます。

 戦争が起きれば、たくさんの人が死ぬ。同じ時代に同じ地球に生まれた人たちだ。それは僕やあなたに関係ないの? もしかしたら僕やあなたにもできることがあるかもしれない。今すぐに思いつかないとしても、でも知らなければ考えることもできない。僕は知らないままで生きたくない。知りたい。
 あなたは知らないままでいいの?

 メディアの仕組みがわかるこの本は、メディア漬けになりそうなお正月にこそ、おすすめしたい1冊です。

 最後になりますが、本年も大変お世話になりました。弊社はこれからも変わらず、小さな声をカタチにして参ります。
 それでは、良いお年をお迎えください!

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