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【刊行情報】みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略

 

スウェーデンとの国交150周年を迎える今年、
ミツイパブリッシングでは新刊を発売しました。

みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略

【内容紹介】

少子高齢化や不況を乗り越え、急成長を遂げる北欧の高福祉国家・スウェーデン。彼らはなぜワークライフバランスを保ちながら経済成長、多文化共生、持続可能性を同時に実現できるのか?幸福と成長を両立させるスウェーデン式・教育制度の秘密に迫る。

【前書きなど】

はじめに 川崎一彦
本書を手に取られたあなたはスウェーデンや北欧ウォッチャーでしょうか、あるいは教育に興味があって本書を手に取りましたか? 
スウェーデン通には自明のことかもしれませんが、本書の理解を深めるために、スウェーデンの理解のポイントを簡単に解説します。
スウェーデンは北欧にある人口一〇一二万人(二〇一七年末)の小国です。二〇世紀初めまでは欧州でも貧しい農業国で、
一八六〇~一九三〇年の七〇年間に、当時の人口の四分の一にあたる約一二〇万人が米国などに移民しました。 

しかしその後の工業化は著しく、数々のグローバル企業を輩出し、同時に世界最高水準の福祉国家を築き上げてきました。
二度の世界大戦でも中立非同盟を貫き、第二次世界大戦後は国連など国際舞台で和平や軍縮をリードしてきました。
先進国が抱える高齢化問題は高福祉政策で対応、男女平等と働き方政策を含む子育て政策を充実させ少子化を克服。
一九九〇年代の不況も、高いイノベーション力、産業の「知業化」とグローバル化、そして医療、介護、年金など福祉システムの見直しで乗り越えました。

二〇一五年には一六万三千人もの難民を受け入れ(人口当たりの数は欧州一)、世界の注目を集めました。
移民政策については、学校という社会でいかにインクルージョンのための努力が払われているかが、本書第3章でリポートされています。
知人のエドヴァルド・フリートウッド瑞日基金専務によれば、スウェーデン人はタイプとして、アメリカ人と日本人の両方の性質をもつ、と言います。
つまり個人の自立性を尊重すると同時に、高福祉国家の前提条件としての連帯意識に対する広いコンセンサスがあり、この双方が共存しているのです。
包括的、普遍的な福祉制度や、「福祉の糧」たる産業基盤を骨子とする「スウェーデン・ モデル」は、世界中から常に注目されてきました。
少子高齢化や経済成長の低迷などの先進国の課題を乗り越えているのは、環境変化に対応する政策の柔軟性も大きな要因です。
 
日本では、バブル経済崩壊や大震災、少子高齢化、「失われた二〇年」など閉塞感著 しかった平成の時代から、ポスト平成への期待を高めざるを得ない状況です。
そのヒントを、経済成長、多文化共生、持続可能性をパラレルに推し進めるスウェーデンの教育に見いだすことができないか。
こうした意図から本書では、「就学前教育からの起業家精神教育」「アウトドア教育」「インクルーシブ教育」「主権者教育」「生涯学習」などのキーワードで、スウェーデンの教育事情を紹介します。
スウェーデン人が初めて日本にやってきたのは一七世紀に遡ります。江戸時代の鎖国中、唯一入国を許された長崎出島のオランダ商館に、オランダ人のふりをして来日したのです*。
四世紀近くにわたる日本とスウェーデンの交流をベースに、本書がこれからの教育のあり方を考える一助になれば幸いです。 
 注*Edström,B(2018)Sverige‒Japan150åravVänskapochSamarbete(スウェーデンと日本一五〇年の友情と協力),Sweden Japan Foundation.

 

 【著者】
川崎 一彦  (カワサキ カズヒコ)  (澤野 由紀子  (サワノ ユキコ)  (鈴木 賢志  (スズキ ケンジ)  (西浦 和樹  (ニシウラ カズキ)  (アールベリエル 松井 久子  (アールベリエル マツイ ヒサコ)  ( 

 

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【イベント】6月16日開催 スウェーデンの”分けない”教育 Vol.2 学校は社会のミニチュア @品川

▼2018年9月29日札幌

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