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第22回 愚痴を言うには相手を選んで

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遊歩と宇宙の「自分がきらい」から「自分がすき」になる相談室画像

家族への愚痴をこぼすと、周りの人によくたしなめられます。「あの人は一生懸命あなたのことを思っているのに」と逆に責められます。そんな時、どのように切り返したらよいのでしょうか?(いくこ&さき・31歳・フリーター)

愚痴を言うには相手を選んで

「家族への愚痴」というおたずねですが、家族はご両親でしょうか、それともおつれあいでしょうか。

あなたが相手に安心しているからこそ、愚痴をこぼしているのに、その方があなたを責めてくるとしたら、それは、その方ご自身の問題です。その方が、ご自分の家族との間に、何らかの葛藤や、コミュニケーションの難しさをもっているのだろう、と思います。

あなたがかかわる筋合いはまったくないことですから、「黙って聞いてよ、あなただから言えてるんだから」と返すのも一つですが、そうするとさらに、また責めるようなことを言われるかもしれませんね。

さらに責めるような言葉が返ってきたら、「あなたも私と同じような愚痴を本当は言いたいんでしょう。私が聞いてあげるわよ」と言うのもよいかもしれません。

あるいは、「家族が私のことを一生懸命考えてくれているって、いちばんよく知っているのは私自身なんだから。それでも家族に文句を言いたくなるときがどうしてもあるの。あなたはいい人よ、それを聞いてくれるんだから。助かるわ」などと賞讃するのも、いいでしょう。

家族の文句を言うときには、本当に聞いてくれる人を選ぶことが、大切です。

ご相談者さんのケースのように責めてくる人のほうがまだいいのです。家族への悪口を真に受けて「そんな人と一緒にいるなんて本当にあなたかわいそう」などと言われると、逆に「家族はいい人なんだけど……」という感情がわいて、うさばらしにもなりません。

家族に対する愚痴の上手な聞き方とは、黙ってにこにこと聞いてあげること。話す側は聞いてもらうことで、頭が冷えてくるのです。そうして、考えはじめるスタート地点に立てたなら、家族との関係も、おのずと変わっていくものです。

私たちひとりひとりの親への思いは、ユニークかつ複雑です。相手が責めてきたその瞬間、それはあなたの問題ではない、相手が持っている問題なんだ、ということを認識しましょう。そして穏やかな笑顔で聞くか、「聞けないよ」という意志を表明するか、そのときどきで、あなたが決めていいことだと私は思います。

愚痴を言ってはいけないのではありません。聞いてもらえる相手を選ぶことが、ポイントです。聞いてもらえないときも、そういう付き合いも必ずあるものですから、その関係性を楽しめたらいいなと思います。(遊歩)

安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年福島県福島市生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。 障がいをもつ人の自立をサポートする。2011年まで、再評価カウンセリングの日本地域照会者。 1996年に40歳で愛娘・宇宙を出産。優生思想の撤廃や、子育て、障害を持つ人の自立生活運動など、様々な分野で当事者として、からだに優しい生活のあり方を求める発言を続ける。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』など。

安積宇宙(あさか・うみ)
1996年東京都生まれ。安積遊歩の娘。母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活している。 小学校2年生から学校に行かないことを決め、父が運営していたフリースクールに通う。ニュージーランドのオタゴ大学在学中。

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