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10.252015
自分なんていないほうがいい?
幼少期より私は父から感情的にたびたび叱られ、母の陰で泣いてばかりいました。小学校にあがる前には父を恨むと同時に、「自分なんか生まれてこなければよかった」と自分を責め続けていました。学校でも不登校になり、社会人になってからは趣味のサークル内で邪魔者扱いされた経験が、さらに「自分が迷惑な存在」という思いを強くさせ、人と会うのが怖くなってしまいました。妻と子どもとの関係は良好ですが、それでも自責の妄想が強くなるときは、苦しいです。「自分が迷惑な存在」という思いから逃れられるよい手段がありましたら、お聞かせください。(モンキーピンチ、33歳、自営業) |
だれひとり、迷惑な存在はありません よく書いてくださいましたと、お礼を言いたいです。迷惑な存在と自分を責めていらっしゃるなら、たぶん、それを言語化することさえ迷惑なのではないかとどこかで自分を責めながら、書いてくださったのだろうと思います。 私たちがここに生きて、存在するというこの一点において、私は、だれひとり迷惑な存在はないと確信しています。生きもののいのちは、生きてそこにあるという一点において、ほかのいのちから、迷惑だとか、いないほうがいいとか、決めつけられたり、傷つけられたりする必要はありません。どのいのちも完璧に、その時空間に存在していいのだと、存在していいから存在するのだというこの真実が、ほとんど多くの人に認識されていないのです。 そのことで私は、しょっちゅう泣いていました。だれも傷つきたくないし、だれも傷つけたくないし、本来、傷つけ合いたいと思っている人はひとりもいないのに、この社会に生きていると、まるでそうでない現実ばかりが目につきます。 あなたが小さいときにお父さまから八つ当たりされただけで、お父さまにとっては、かわいい大事な息子に決まっています。趣味のサークルでも、みんなと仲良くしたいと思いながら、傷ついた過去の体験を投影させて今の現実を生きのびようとしてしまうので、恐怖がやってきてしまいます。 もし、できるなら、奥さまとお子さんにきちんと気持ちを伝えて、まずとにかく日々の中で、応援を得てください。繰り返し繰り返し、どんなにあなたが大事なのかを伝えてもらってください。そしてもちろん自分からも、自分の幼少期にはなかった、愛情あふれた言葉で、日々を満たしてください。 愛情深い言葉というのは、その言葉自体が、存在の承認となります。ですから、奥さまとお子さんに頼むだけではなく、ご自分でも習慣となってしまったネガティブな言葉を意識的にストップし、自分はよくやってきた、ベストを尽くしてきたと、繰り返し言葉に出して自分に愛情をあげてください。 ネガティブな気持ちは、真実ではありません。それは、傷ついた感情にすぎません。真実は、どの瞬間もどの瞬間も、生きることをあきらめず、サバイブした自分がいる、ということです。とくに、幼い日に、お母さんの陰に隠れて生きのびた自分を、いっぱいほめてください。私からも、たくさんの賞賛と、陰に隠れるところがあったことを、共に喜びたいと思います。(遊歩) |