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第34回 自分をほめることが、早道です

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遊歩と宇宙の「自分がきらい」から「自分がすき」になる相談室画像
*質問は前回と同じです
小学校高学年の娘は人見知りで、声が小さく、母親の私にもあまり心を開いていないと感じます。何か聞いても黙られると、初めはやさしく待つことができてもだんだんいらいらしてきて、娘を責めたり、延々と説教してしまいます。娘のいいところをほめることに、なぜか抵抗があります。娘がそうなのは、私がそういう風に育ててしまったからかなと思い、責任を感じます。夫も、自分の考えを話すことが少なく、私はそれが嫌です。誰かに相談したいのですが、話を聞いてもらうのはその人を煩わせるから申し訳なく、相談できません。娘とは、どうしたらよい関係になれるでしょうか?(ぶどう・38歳・農業)
自分をほめることが、早道です

*前回「待つ練習をしてみませんか」の続き*
次に、娘さんをどうしてもほめられないと書いていらっしゃいますが、おそらく娘さん以上に、ご自分のことをほめてあげることが、むずかしいのではないでしょうか。

紙と鉛筆をとって、ご自分のいいところを10個、書き出してみてください。いやなところならいくつでも書けるのになあ、と思われるのではないでしょうか。

でも、娘さんのことを、心から認めて大好きだと思いたいのなら、まず自分のことをほめることが早道です。

回り道にみえても、それはとても大切なことです。

そして、10個自分のいいところを書き出したら、今度は声に出して、読み上げてみてください。そのときに、必ず、「大好き」とか、「いいなと思っているよ」という言葉を付け足してください。

たとえば自分のいいところは、やさしい、とか、娘のことを大切にしている、とか書いたとして、「あなたのやさしいところが大好きだよ」とか、「娘を大切にしているところがすごくいいよ」とか、褒め言葉にさらに愛情をプラスして、表現してみましょう。

それができたら、次は鏡の前で、自分に語りかけてください。泣いたり笑ったり、ばかみたいだと思ったり、どんな気持ちも感じてオーケーです。

繰り返し練習したら、今度は娘さんの名前を上につけて、言ってみてください。「○○のやさしいところが大好きだよ」というふうに。

私たちは、愛情を表現する方法を知りません。学校で、そういうことを学習したり練習することもありません。

愛情表現や、自分や家族のよさを見つけるための力こそ、学校で学んだり、獲得したりできるといいのに、と私は真剣に思っています。でも残念ながら、そんな授業を受けられる日は、まだまだ先のようです。だとしたら、自主学習の道を自分で作り出しましょう。

何度も繰り返してやっていると、今度は娘さんと向き合っても、照れずにそれができるようになってきます。

娘さんが恥ずかしさから声が小さくなっても、それを責めるのではなく、「私はあなたのやさしいところが大好きよ」と言って何度もハグしながら、話しかけてください。

彼女は笑ったり泣いたり、怒り出したりするかもしれません。あなたはそれをみて泣きたくなるかも知れません。泣きたければ泣いてください。涙や笑いは、責めることや説教よりもずっとずっと、あなたのことが大好きだよ、という真実を伝える有効な表現です。ぜひ、トライしてくださいね。

私と宇宙は、今はお互いの気持ちが充分わかっているので「大好きよ」としか言わなくなりましたが(今も電話を切るときには「またね」の代わりに「大好き」を言い合います)、昔はお互いの大好きなところを3つから5つ、よく言い合いました。食事のときは、今日よかったことや発見したことなどを、聞き合っていたものです。

よかったと感じることも、発見について思うことも、人によって違うのだなあ、と聞きながらよく思ったものです。

娘さんやお連れ合いと、そういったことが聞き合えるようになったら本当にすてきですよね。楽しい家族になるでしょう。(遊歩)

安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年福島県福島市生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。 障がいをもつ人の自立をサポートする。2011年まで、再評価カウンセリングの日本地域照会者。 1996年に40歳で愛娘・宇宙を出産。優生思想の撤廃や、子育て、障害を持つ人の自立生活運動など、様々な分野で当事者として、からだに優しい生活のあり方を求める発言を続ける。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』など。

安積宇宙(あさか・うみ)
1996年東京都生まれ。安積遊歩の娘。母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活している。 小学校2年生から学校に行かないことを決め、父が運営していたフリースクールに通う。ニュージーランドのオタゴ大学在学中。

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