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第33回 待つ練習をしてみませんか

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遊歩と宇宙の「自分がきらい」から「自分がすき」になる相談室画像

小学校高学年の娘は人見知りで、声が小さく、母親の私にもあまり心を開いていないと感じます。何か聞いても黙られると、初めはやさしく待つことができてもだんだんいらいらしてきて、娘を責めたり、延々と説教してしまいます。娘のいいところをほめることに、なぜか抵抗があります。娘がそうなのは、私がそういう風に育ててしまったからかなと思い、責任を感じます。夫も、自分の考えを話すことが少なく、私はそれが嫌です。誰かに相談したいのですが、話を聞いてもらうのはその人を煩わせるから申し訳なく、相談できません。娘とは、どうしたらよい関係になれるでしょうか?(ぶどう・38歳・農業)

待つ練習をしてみませんか

二つに分けて回答させていただきます。はじめに、娘さんとのことについてお答えしますね。

娘さんが黙り込んで、いらいらしてきたら、自分が待っていられる時間を少し長くしてみませんか。

時計を見ながらトライしてみましょう。娘さんを心配すればするほど、いらいらがつのるでしょうから、そのいら立ちを抑える行為が、時計を見ることです。少し気分をそらしてみましょう。

じつは私も、人の話を聞くのが苦手です。

とくに妹の話だけは、30代の前半まで、黙って聞くことができませんでした。妹は、常に私の話を黙って聞いてくれていましたから、ピアカウンセリングの勉強を始めてからも、「黙って聞くことが大事」なんて、妹にはとても言えませんでした。

ところがある日、妹から「最近よく黙って聞いてくれるよね」と言われました。相手が話し始めたらとにかく黙って聞くとか、話し始めるまでそばで見守るとか、ピアカウンセリングを知る前とは違うアプローチを私なりにしていたことに、妹は気づいてくれたのです。

娘さんの小さな声にいらいらしてしまうときも、ぐっと我慢して、黙って丁寧に相づちを打ってみてください。そして「もっと聞かせて」と笑顔で静かに語りかけ続ければ、娘さんはお母さんの変化に気づくことでしょう。

説教したくなったら、その場を離れてください。ひとりになって、空や花や、室内だったらトイレの壁に向かって、説教したいその思いをぶちまけてください。

ふたりで楽しめることを、1日5分でも10分でもいいから、続けてみるのもいいと思います。たとえば料理を手伝ってもらうとか、好きなテレビを一緒に観ることでもいいのです。

自分のそばにいることを、心から喜んでくれる誰かの存在は、大きいものです。

それが大好きなお母さんであれば、娘さんはあなたにますます心を開いていくでしょう。(遊歩)

*第34回に続く

安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年福島県福島市生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。 障がいをもつ人の自立をサポートする。2011年まで、再評価カウンセリングの日本地域照会者。 1996年に40歳で愛娘・宇宙を出産。優生思想の撤廃や、子育て、障害を持つ人の自立生活運動など、様々な分野で当事者として、からだに優しい生活のあり方を求める発言を続ける。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』など。

安積宇宙(あさか・うみ)
1996年東京都生まれ。安積遊歩の娘。母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活している。 小学校2年生から学校に行かないことを決め、父が運営していたフリースクールに通う。ニュージーランドのオタゴ大学在学中。

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