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第1回 たくさん悲しんで、たくさん泣いてください

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遊歩と宇宙の「自分がきらい」から「自分がすき」になる相談室画像

 1年間で2匹。大切に飼っていた猫が突然亡くなってしまいました。家族同然だった猫が突然天国に帰っていき、喪失感でいっぱいです。なによりも、ああすればよかった、こうすればよかった、もっとかわいがってあげればよかった……と、後悔の気持ちでいっぱいです。猫たちに対する感謝の念も湧き上がってきますが、やはり、自責の念にかられてしまいます。たかが猫ですが、家族であることには変わりありません。どのように、気持ちを整理したらよいのかわからず、苦しいです。猫はもっと苦しんで亡くなったんだろうな……。(イチローサブロー・40歳・自営業)

たくさん悲しんで、たくさん泣いてください

突然2匹の猫を亡くされたこと、どんなに悲しかったことでしょう。人間でも、猫でも、突然の別れというのは本当にきついものです。とにかく悲しむだけ、悲しんだら、必ず、元気になれます。私たちは、死んでしまった者を悼むという悲しみやつらささえも、十分に感じることを、どこでも許されていません。けれども悲しんで泣くことは、よくないことではまったくありません。涙にしてストレスを出してしまえるので、からだにとっては、泣くことはリラックスをもたらすとさえ言えるのです。小さな子どもたちは、泣くことを上手に使って、ストレスをためこまず、生きています。

いっぱい泣いてください。もう戻ってこないんだね、もう二度とあなたを抱っこできないんだね、と言って、悲しむ時間を作ってみてください。「感謝の念も湧き上がってきます」と書かれていますが、感謝の気持ちをいっぱい感じるのは、いいことです。

あなたはここにはいないけど、思い出は大切にするよ、と心で話しかけてください。ひとりの時には、声を出して、写真に向かって話しかけるのもいいでしょう。たとえば、いちばん一緒にいた時間とか、夜、一緒にベッドに寝ていた時間があれば、その時間には、いっぱい思い出していっぱい泣こう、と決めるといいでしょう。後悔や自責の念も、全部、涙にして、流してください。

たくさんさようならできたら、また新しい出会いに向き合えると思います。たくさんの涙とともに、彼らとの思い出の中を生きる、そうした時間を毎日10分でも、1時間でも、とれるだけとってください。そうしたら、たくさんのほかのいのちたちが、あなたの愛情を待っていることに、気づくでしょう。日常の中ではたくさんの猫や犬たちが、保健所で処分もされているということに気づき、なんとかしたいという気持ちが、もしかしたらわいてくるかもしれません。もしできるなら、そうした活動に参加してみるのもすばらしいことです。

別れのあとには必ず素敵な出会いがあることを信じて、毎日少しずつ時間を作って、十分悲しむことを、まずはやってください。(遊歩)

安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年福島県福島市生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。 障がいをもつ人の自立をサポートする。2011年まで、再評価カウンセリングの日本地域照会者。 1996年に40歳で愛娘・宇宙を出産。優生思想の撤廃や、子育て、障害を持つ人の自立生活運動など、様々な分野で当事者として、からだに優しい生活のあり方を求める発言を続ける。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』など。

安積宇宙(あさか・うみ)
1996年東京都生まれ。安積遊歩の娘。母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活している。 小学校2年生から学校に行かないことを決め、父が運営していたフリースクールに通う。ニュージーランドのオタゴ大学在学中。

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