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第15回 まず、お礼の気持ちをいっぱい伝えて

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遊歩と宇宙の「自分がきらい」から「自分がすき」になる相談室画像

○○○(市販のドーナツ)をプレゼントしたいんだけど、とママ友に言われました。私は薬害で入院した経験があり、それ以降健康に気を遣っています。とくに家族が口にする食べものは、安全なものを選んでいます。市販のドーナツに使用されているトランス脂肪酸も避けているものの一つです。ただ、ママ友が好意で言ってくれているのもよくわかったので、断れませんでした。いただいて子どもと食べました。でも後から、どうして言えなかったんだろう、と、その場の空気に合わせてしまう自分に落ち込みます。そういうときにどうしたらよいか、アドバイスをいただけると助かります。(ミルキーウェイ・45歳・主婦)

まず、お礼の気持ちをいっぱい伝えて

アサーティブ・トレーニングというコミュニケーションの方法があります。相手の権利や思いを傷つけることなく、自分の思いを対等な目線で伝える方法で、25年くらい前に私も友人たちと勉強会を開いていたことがありました。

その方法を使ってお答えすれば、お礼の気持ちを彼女に精一杯伝えることが、もっとも大切です。相談者のお子さんのことを考えてくれていること、子どもの育ちに関わってくれることへの感謝を、まず伝えます。そのうえで、市販のドーナツに含まれる添加物が子どもにどんな影響を与えるのか、心配であることを伝えましょう。リラックスして相談者さんの心配をお伝えすれば、思いは伝わると思います。

さらに、このやりとりをきっかけに、あなたとの関係をさらに深めたいと思っているの、と付け加えましょう。あなたのことを嫌って言っているのではない、ということがうまく伝われば、彼女にも安心感をもってもらえると思います。

ただ、こうしたことを伝えるときのベースには、相手のことも、もちろん自分も、責めているわけではまったくない、という、自分に対する信頼が必要です。

この構図を端から冷静に見てみてください。あなたは彼女を責めているわけではまったくないし、ドーナツを受け取らないからと言って、あなたが彼女に責められる理由も、まったくないのですから。

このコミュニケーション法を学ぶときには、ロールプレイを使います。もし、他のお友だちとロールプレイができるなら、それもすてきなことです。協力者を見つけるのがむずかしくても、ひとりで、鏡の前でリラックスしてにこやかに、彼女に言いたいことをまとめて言ってみましょう。

たとえば「ありがとう。いつも私たちのことを考えてくれて。あなたのやさしい気持ちには、いつも感謝しているの。ただ今回のドーナツについてだけは、私、気になっていることがあるのよね。あなたのことを責めたいわけではないし、それどころかこの気になっていることを聞いてもらえたら、あなたとさらにいい関係になると思っているの」と始めてみては、いかがでしょうか。

そして彼女の応答も、予想してみます。彼女は、あなたの気になっていることを聞こうとする人でしょうか。それとも、聞く準備がありそうにない方でしょうか。いくつかの彼女のパターンを考えて、さらにあなたの方も答えを準備します。そして、お互いに傷つけ合いたいわけではないということを、何度も繰り返し心にとどめて、穏やかにドーナツは断り、いい関係を深めていってください。(遊歩)

安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年福島県福島市生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。 障がいをもつ人の自立をサポートする。2011年まで、再評価カウンセリングの日本地域照会者。 1996年に40歳で愛娘・宇宙を出産。優生思想の撤廃や、子育て、障害を持つ人の自立生活運動など、様々な分野で当事者として、からだに優しい生活のあり方を求める発言を続ける。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』など。

安積宇宙(あさか・うみ)
1996年東京都生まれ。安積遊歩の娘。母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活している。 小学校2年生から学校に行かないことを決め、父が運営していたフリースクールに通う。ニュージーランドのオタゴ大学在学中。

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