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第25回 からだを信頼すること

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おとぎ話のようなホントの話

あなたはとても元気で、からだもどこも不都合がなくて、健康な人かもしれない。

あるいは、どこかちょっと具合が良くないところがある人かもしれない。でも、あなたが今、どのような状態にあるにせよ、あなたが今、そこに、からだを持って存在している、というだけで、あなたは完璧な存在です。

あなたが、今のあなたであるだけで、それは奇跡のような完璧、の表れです。

あなたが生まれるずっとずっと前のこと。お母さんのお腹の中の小さな「原始卵胞」という細胞の一つが、あなたになる可能性があるものでした(第7回「奇跡のプロセス」も読んでみてくださいね)。

あなたになる可能性がある原始卵胞は、あなたのお母さんが赤ちゃんの時から、あなたのお母さんのお腹の中にありました。

そしてそれは、あなたのお母さんが赤ちゃんとして生まれた時に、お母さんのお腹にできたのではなくて、あなたのお母さんが生まれるずっと前から、そこにありました。

あなたのお母さんが、あなたのおばあちゃんのお腹の中にいる頃、つまりはあなたのお母さんが胎児としてあなたのおばあちゃんのお腹の中にいるときに、すでに、あなたになる可能性がある原始卵胞は、この世に存在していたのです。

おとぎ話のような話ですが、おばあちゃんのお腹の中にいて、その頃はまだ胎児だったあなたのお母さんのお腹の中の小さな原始卵胞は、将来何十年も経った後に、「あなた」という人になることを、ひっそり夢見てはいたかもしれないけれど、きっと想像もできていなかったに違いない。

もちろん、原始卵胞が夢を見るのか、想像するのか、と言われると、わかりませんけどね。だから、おとぎ話のような話なの。

「あなた」になる前の卵子のもと

ともあれ、あなたのお母さんは、おばあちゃんのお腹から出てきて、お母さんという人として誕生します。

あなたになる可能性のある原始卵胞は、お母さんと一緒にお母さんの人生を歩んできた細胞の一つ。

赤ちゃんだったお母さんは大きくなり、子どもになり、あなたのような思春期の少女になりました。

生理がはじまるころになると、毎月、卵巣では15個から20個くらいの原子卵胞が育ち始めると言われています。そのうちの一つが主席卵胞として、その月排卵される卵胞に決定される。つまり、原始卵胞は毎月1個だけではなく、毎月15~20個使われている、ということです。

あなたにもう生理があるとしたら、毎月、こうした原始卵胞が15〜20個使われているのです。

けれども、あなたのような若い少女が今すぐ妊娠することはまずないでしょうから、それらの原始卵胞は、育って人間になることはありません。

でも、のちに、あなたになる原始卵胞は違いました。

その原始卵胞は、あなたのお母さんがあなたのお父さんになる人に出会った頃によく発育し、主席卵胞になって、お母さんの卵巣から卵子として排卵されて、お父さんたる人の精子と出会い、受精卵になり、お母さんの子宮壁に着床して、しかるべき時間をそこで過ごして、あなたという人になり、赤ちゃんとして生まれてきたのです。

お母さんの決断

お母さんのお腹の中の一つの原始卵胞が、「あなた」という人になる。

それは、本当に人間の力ではどうにもならないくらいの天文学的な確率で、「運」としか言いようのないプロセスの連続だった、と思います。

そんなプロセスを経て、今のあなたがある。

あなたになった原始卵胞が、あなたになる原始卵胞じゃなかったら、あなたは、今のあなたではない。

ちょっとわかりにくいね。でも、そういうことです。

あなたは、だから、今のあなたであるだけで、ただ、完璧な、この世界への贈り物です。

この奇跡のプロセスの多くの部分は、あなたのお母さんたる人の、意志と決断に、よってもいました。

今のあなたの多くはお母さんのことが大好きで仲良しだと思いますが、そうでない人もいるかもしれない。

お母さんと仲良くないかもしれないし、実のお母さんたる人と、会えない、ということになっているかもしれない。

しかし、確実なことは、あなたを産んでくれたお母さんは、あなたがお腹にいることを気づき、それを愛でてくれました。

お腹にいるあなたを「産まない」ようにしよう、という決断は、しませんでした。

なくしてしまうことのできないもの

「妊娠中絶」というのは、誰も最初から望んでいる人はいないにせよ、世界からなくなることのない事実の一つです。誰も喜んでやる人はいないけれど、なくしてしまうこともできないということも、この世の中にはいろいろあって、「妊娠中絶」もその一つです。

そして、初期の「妊娠中絶」は、医療プロセスとしては、最も安全な外科手術の一つ、と言われています。

女性が妊娠初期に「産まないようにしよう」と思うと、その安全な方法は、存在します。宗教的、文化的理由で、妊娠中絶を禁止している国は、世界に存在しますが、妊娠中絶を禁止しても、妊娠中絶しようとする女性は後を絶たないから、妊娠中絶を禁止している国では、妊娠中絶は危険なものになる、というのが、国際保健の常識です。

世界の女性たちの命を守るためには、「安全な妊娠中絶」は、存在すべき重要な医療プロセスのひとつである、と言えます。

あなたのお母さんは、そういう方法が存在することを知っていたけれど、あなたを「産まないようにしよう」とは、思わなかった。

あなたが健やかにお腹の中で育つことを愛で、40週間に近い時間、あなたを自分のお腹でまもってくれた。

存在だけで完璧なあなた

原始卵胞の一つだったあなたは、こうしたお母さんの、あなたを産もうとする意志に支えられて、長い時間をお母さんのお腹で、すごい勢いで成長しながら過ごしました。

そしてお母さんはあなたを産んでくれて、そのまま放っておけば、必ず死んでしまう生まれたばかりの赤ん坊であるあなたを、優しく抱きとめてくれた。

産んだお母さんが優しく抱きとめることがなければ、赤ちゃんは生き延びられません。すべての人間は、産んだお母さんがそうしてくれたからこそ、今、生きているのです。

そうしたお母さんの意志と決断の果てに、あなたという人が今、ある。

だから、あなたは完璧な存在です。

天文学的な確率を生き延び、お母さんの思いを一身に受けて、この世に存在するあなたのからだは、だから、それだけで完璧な存在なのです。あなたのからだは、存在するだけで、一つの世界の体現なのです。

からだへの信頼、ひいては、人生への信頼、というものは、それを知ることで自ずと生まれてくるのではないでしょうか。

自分のからだについてわかっていることもあるし、よくわからないこともある。

しかしあなたのからだは、とても賢くて、ここまであなたを生き延びさせるだけの力を備えていた。

これから起こってくるあなたの知らないことについても、あなたのからだは信頼できるものです。

困った時には、病院や医療施設や医師や専門家が助けてくれますが、まず、あなたのからだを信頼し、あなたのからだに問うてみる習慣をつけてみてください。

若い娘であるあなたは、これから人生でいろいろなことに出合い、知らない体験にさらされていきます。

しかし、あなたはどのようなことにでも対処できて、どのような時にも明るく、自らと自らの周りを幸せにする力を発揮していくでしょう。

それはすべて、あなたのからだが支えてくれる、ということを、どこかでおぼえていてくださいね。

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